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合同会社(LLC)の社員
このページでは、合同会社の「社員」について解説しています。
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合同会社(LLC)の社員
合同会社(LLC) の社員は株式会社の株主とは異なり、出資をするだけではなく経営にも関与します。そのため合同会社の社員の決定は非常に重要な意味があります。合同会社の社員には次のような特徴があります
合同会社の「社員」とは「合同会社(LLC)に出資をする者」のことであり、
いわゆる「従業員」という意味での「社員」ではありませんので、注意して下さい。
社員の資格
合同会社の社員の資格には、破産者や成年被後見人を除けば、特に制限はありません。
自然人だけでなく法人も合同会社の社員となることができます。
ただし、法人が「業務を執行する社員」(「業務執行社員」といいます)となる場合には、
その法人は自然人を「職務執行者」として選任しなければなりません。
なお、次の法人は、業務執行社員になることはできません。
- 銀行、銀行持株会社
- 保険会社、保険持株会社、少額短期保険業者、少額短期保険業者持株会社
- 信用金庫、信用金庫連合会
- 労働金庫、労働金庫連合会
- 信用協同組合、信用事業を行う協同組合連合会
- 無尽会社
また、「有限責任事業組合」や「投資事業有限責任組合」については、「法人格」がありませんので、合同会社の社員になることはできません。
業務の執行
合同会社の社員は、原則として 全員が業務を執行する 権限を有します。
ただし定款の定めにより、一部の社員を「業務執行社員」とすることができます。
「業務の執行」とは、「合同会社の経営管理を行うこと(株式会社でいえば取締役の職務に相当します)」をいい、いわゆる「従業員として働く」ことではありません。
業務執行社員
業務執行社員の責任
業務執行社員は株式会社の取締役に相当します。業務執行社員の責任には次のような責任があります。
- 善管注意義務
業務執行社員は、善良な管理者の注意をもって、職務を行わなければなりません。 - 忠実義務
業務執行社員は、法令及び定款を遵守し、合同会社のために忠実に職務を行わなければなりません。 - 報告義務 ※
業務執行社員は、他の社員の請求があるときは、いつでもその職務の執行の状況を報告し、職務が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければなりません。 - 競業の禁止 ※
業務執行社員は、次の行為を行うには他の社員全員の承認を受けなければなりません。
□ 自己または第三者のために合同会社の事業の部類に属する取引をすること
□ 合同会社の事業と同種の事業を行う会社の取締役・執行役、業務執行社員となる
こと - 利益相反取引の制限 ※
業務執行社員は、次の取引を行うには他の社員の過半数の承認を受けなければなりません。
■ 自己または第三者のために合同会社と取引をしようとするとき
■ その業務執行社員の債務を保証することや、社員でない者との間において
合同会社とその業務執行社員との利益が相反する取引をしようとするとき - 合同会社に対する損害賠償責任
業務執行社員は、その任務を怠ったときは、合同会社に対し、連帯して、生じた損害を賠償しなければなりません。 - 第三者に対する損害賠償責任
業務執行社員は、その職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは、第三者に対して生じた損害を賠償しなければなりません。
※ 定款で別段の定めをおくこともできます。
業務執行社員が法人である場合
業務執行社員が法人である場合には、その法人は自然人を「職務執行者」として選任し、その者の氏名、住所を他の社員に通知しなければなりません。
代表社員
合同会社では、業務を執行する社員が会社を代表します。つまり、業務執行社員を定めていない場合は全員が会社を代表します。(2名以上の場合は各自が代表します)
業務執行社員を定めた場合は、業務執行社員が会社を代表し、業務執行社員が2名以上の場合は各自が代表します。
ただし、定款または定款の定めに基づく社員の互選により、業務執行社員の中から代表社員を定めることができます。
代表社員は、合同会社の業務に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有します。
社員・業務執行社員・代表社員の関係について詳しくはこちら ↓
業務執行社員と代表社員
社員の加入・退社
社員の加入
合同会社は新たに社員を加入させることができます。ただし、社員を加入させるには定款の変更が必要となります。(定款の変更には、原則社員全員の同意が必要)
社員の退社
合同会社は原則的に「所有と経営が一致」するため、社員の退社は合同会社に大きな影響を与えます。そのため合同会社の社員の退社には制限があります。
任意退社
合同会社の社員は次の場合には、事業年度の終了の時に退社することができます。(6ヶ月前までに予告が必要。ただし、定款で変更可)
- 合同会社の存続期間を定款で定めていない場合
- ある社員の終身の間合同会社が存続することを定款で定めている場合
ただし、やむを得ない事由があるときはいつでも退社することができます。
法定退社
合同会社の社員は次の場合には、当然に退社します。
- 定款で定めた事由の発生
- 総社員の同意
- 死亡 ※
- 合併(合同会社が合併により消滅する場合) ※
- 破産手続開始の決定
- 解散
- 後見開始の審判をうけたこと
- 除名(裁判所の判決による除名)
※ 社員が死亡した場合や、合併により消滅した場合は、原則的には退社となりますが、
定款で社員の相続人や一般承継人が持分を承継する旨を定めることができます。
持分の譲渡
合同会社の社員は、原則として他の社員全員の承諾がなければ、持分の全部または一部を他人に譲渡することはできません。
ただし、業務を執行しない社員の場合は、業務執行社員全員の承諾があれば、持分の全部または一部を他人に譲渡することができます。
なお、合同会社の場合は株式会社の株式とは異なり、合同会社が持分を譲り受けることはできません。(合同会社が持分を取得した場合には、その持分は消滅します)
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